どの火災でも、流れのパターンや性質を決める浮力が伴います。
この流れは、火災の成長を促し、回りの空気を引き込み、煙の発生量に大きく影響を与えます。
浮力は火災の性質状、成長過程を推測するうえで必要な指標になるということです。
浮力から発生する空気を引き込む力は、無風状態を指しています。しかし、そんな状態もほとんどありませんが、1m/sの弱い風速でも火炎は方向を変え旋回流によって火災旋風が発生することもあります。
この仕組みには火災プルームというものが大きく関係していきますので、原理を見ていきます。
乱流火災プルームについて
火災プルームとは、燃焼している物体から生まれる火炎と気体を指します。
そもそも浮力は、熱をもつことにより体積量が膨張するが、密度差に違いが生まれ重力により上昇していきます。
気体の密度は温度の反比例に関係があり、温度が高ければ高いほど、周辺空気より高温の気体に上向きの力が生まれます。つまり、上昇速度が速くなるということです。
この時、上昇しきった煙は、上空では、全体に拡がっているイメージがありますね。これは、周囲の冷たい空気によって冷やされることで、煙自体の温度が低くなり体積量が本来の姿に戻った故に上昇速度が損失したということになります。
話は戻りますが、浮力によって上昇した煙や火炎は周囲の冷たい空気を巻き込みます。この流れの過程を巻き込みといいます。この巻き込み量は火炎の高さに関係します。
この流れは層流と乱流というものがあります。この二つの見極めは、ろうそくの火から出る煙でよく確認できます。
無風状態はろうそくの火の煙はまっすぐと上昇します。これが層流といいます。その後、渦を巻いて周囲の空気と交じり合います。この時点が乱流といいます。乱流は気流によって発生しますが、1フィート(約30cm)で発生します。
この乱流は重力と気流と大きく関係するものなので、必ず発生します。
つまり、火炎の強さは上昇するにつれ、気流による乱流と、周囲の空気を引き込む巻き込みが関係していて、これらの発生上空位置を観察することで、ある程度の火炎の強さを推測できるということです。
火炎の性質
火炎の温度が高ければ、範囲が広ければ、流出速度は上がります。火炎は、最大およそ200倍の直径距離までは層流に留まります。
さらに流出速度が増せば、流れは乱流になり、火炎の長さの予測は、火炎が途切れるところにあります。
乱流噴流火炎というのには、巻き込む空気室両立、が関係します。燃焼には最低限の空気量が必要なことを化学両論的といい、一般的には、この乱流条件下では、空気量が過剰な状態である場合が多く、その時は希薄混合といいます。
このように空気が過剰に巻き込まれた状態で乱流噴流火炎は発生するため、浮力が誘発した火炎速度に起因する流出速度よりも早い流出速度が発生します。
これが室内などの気密空間で発生していた場合、内部が高圧となり、外壁が破壊される可能性もあります。
つまり、煙及び火炎の流出速度は主に、乱流と浮力での結果であり、その過程は燃焼する燃料には依存しないことになります。
火炎の高さと流出速度は危険を評価するうえで非常に重要な指標となるということですね。