このページでわかることは、消防用ホースの圧力損失関係計算方法です。
消防用ホースの圧力損失には、2種類あります。
一つは摩擦損失
もう一つは背圧損失です。
摩擦損失自動計算エクセルファイルを一番最後に追加しました!ぜひ活用してください。
そして、摩擦損失の簡易計算式を記しています。
一つずついきます。
摩擦損失
摩擦損失は、よく聞くと思います。
水がホースの内側と接している面に発生する摩擦が重なり、その分圧力が損失していくものです。
水という液体が流れることによって、摩擦というのは想像しにくいですが、これは、しっかりと摩擦し、圧力が損失するので、理解しておきましょう。
しかし、個体と個体程ではなく、液体(水)と固体(ホース内側)なので、損失は少ないです。
面が大きければ大きいほど損失量が大きくなります。
50mmホースと65mmホースでは、水がホースの内面に接しているところは、65mmホースの方が多いので、損失が大きいことが分かります。
背圧損失
背圧損失というのは、水圧と考えて問題ありません。
例えばホースを1階部分から3階部分へ延長するときに発生する高さがあります。
この高さで発生する重力での水圧。
これが背圧となります。摩擦損失とは、全く別物の損失になります。
背圧損失に関しては、40mmホースも50mmホースも65mmホースも一定で数値は変わりません。
高さ10m上がるほど、0.1MPaの損失が発生します。
20mであれば0.2MPa
30mであれば0.3MPa
背圧は逆にホースを下部へ下ろす場合では、10mごとに-0.1MPaとなります。
摩擦損失計算
あくまでも理論値的計算ですが、
流量Q(㎥/min)=0.2085×ノズル口径(cm)の2乗×√ノズル圧力(MPa)
65mmホース摩擦損失
65mmホース摩擦損失=0.0713×ホース本数(20m)×流量(㎥/min)
流量が分からなければ
65mmホース摩擦損失=0.00310×ホース本数(20m)×ノズル口径の4乗(cm)×筒先圧力
となります。ちなみにクアドラフグノズルの筒先圧力は0.7MPaであり、ノズル口径は表のとおりです。
流量レンジ | ノズル口径 |
110L | 8mm |
230L | 12mm |
360L | 15mm |
470L | 17mm |
50mmホース摩擦損失
50mmホース摩擦損失=0.0548×ホース本数(20m)×流量(㎥/min)
流量が分からなければ
50mmホース摩擦損失=0.00248×ホース本数(20m)×ノズル口径の4乗(cm)×筒先圧力
例題
65mmの摩擦損失において、クアドラの筒先口径17mm、筒先圧力0.7MPa、使用ホースを10本とした場合
0.00310×10本×1.7cmの4乗×0.7MPa=0.181MPa
従って、0.181MPaの摩擦損失が生じることになります。
まとめ
あくまでも簡易的な算出方法です。実際は、送水基準板から算出することが望ましいですが、あれは、流量が予め判明している場合の算出です。現在の消防ポンプ車は放水量が表示される場合も多いですが、そこから送水基準板を見るのは結構面倒です。
分かりやすい算出方法を分かっていれば、計算しやすいので、現場活動時に生かしてもらえればと思います。
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