このページはクアドラフォグノズルの取り扱いについて記しています。
使い方は放水するだけですが、どの部分を活用することにより、どういった成果が得られるかを知ることによって、放水方法を論理的に行うことができます。
その効果を発揮するためにはまず、クアドラの正式な使い方を知っておかなけれればなりません。
使い方は放水が出来ることではなく、能力を最大限に生かすことですので、この機会に理解していきましょう。
クアドラフォグノズルの取り扱い
このページではクアドラフォグノズルの使い方を説明します。
クアドラフォグノズルはYONEの放水器具です。
この使い方を覚えることで、消火活動はもちろんのこと、煙や可燃性ガスを除去し、活動を視界良好もしくは室内温度を下げる(空間冷却)を行うことができます。
クアドラフォグノズル横
従来の筒先と大きく違うところは、持ちやすさとタービンティースが付いているところです。
持ちやすさについては、触れません。見たままなので。
クアドラフォグノズル前方
タービンティース(回転歯)については、水が出るところの銀のギザギザの部分④を指します。
このタービンティースが回転することによって、水が細かい粒子に分解される噴霧状態となります。
噴霧状態と聞くと、従来の筒先と同じではないかと感じると思いますが、実は違います。
従来の噴霧放水よりも細かく分解され、消火効率が上がり、または現場活動での風を発生されることで煙の操作が可能となります。この部分は効果と効率の話しになります。
このタービンティースを回すか回さないかによって、クアドラ本来の使い方が大きく変わります。一度触ってみても問題ありません。回してみてどんな仕組みでどんな刃なのかを確認してみてください。
最大限発揮する効果及び効率については、別のページで説明します。
クアドラのタービンティースを回す
タービンティースを回転させることによって、水を細かく分解することができます。
水を細かくすることによって、視界をクリアにすることと室内温度を下げることができます。
ストレート放水から噴霧注水へ操作するときにタービンティースを回転させますが、回転開始のタイミングは放水圧力、トリガー操作②・③、筒先先端の黒い回転するところ①の操作によって変わってきます。
タービンティースを回転させなければクアドラフォグノズルの効力は発揮できません。
また、クアドラフォグノズルは筒先到達圧力0.7MPaでの放水量が110L、230L、360L、470Lとトリガー取っ手を操作することで変更が可能となります。
例えば、トリガー②を230Lのところに設定してタービンティースが回転したところで①の角度を設定していても、トリガー②を110Lに変更すればタービンティースの回転数が少し弱まるもしくは回らなくなります。
トリガー②の流量設定において、①をどの程度回すことでタービンティースが回るかを訓練で知っておく必要があります。
①は180度回転するので、トリガー②の流量がどの位置で、筒先到達圧力どのくらいで、①をどの角度まで回すことによって、タービンティースが回り始めるのかを知っておきましょう。
筒先員から①を半時計回りに回転することで、タービンティースが回るところを把握しておく必要があります。
タービンティースが回るタイミング(筒先圧力0.7MPa)
例 | ②110L | ②230L |
①110度 | 回らない | 回る |
①120度 | 回る | 回る |
屋内進入での区画火災では、屋内において煙で視界不良な状態でもクアドラフォグノズルの効果を発揮するため、タービンティースを回し細かい粒子を操作する必要があります。
角度・どちらに回せば噴霧注水になるか放水操作を熟知しておく必要があります。
屋内進入時は、視界が見えないことと直接注水を繰り返す活動が必要になります。そのため、ストレート注水と噴霧注水(タービンティースを回す)の繰り返した放水が必要となるので、訓練が必要です。
また、筒先到達圧力においても0.2MPaから0.7MPaにおいても放水量が違いますし、角度におけるタービンティースが回るタイミングも変わってきます。
そのため、タービンが回る角度を一定に固定するため、筒先到達圧力を0.7MPaと固定しておかなければなりません。
この筒先到達圧力も現場活動において、ホースを何本伸ばしたかによる摩擦損失の計算、高低差による背圧損失を瞬時で計算し、小隊長は機関員に対してポンプ圧力を伝えなければなりません。
圧力損失についても確認しておきましょう。
圧力による流量の違い表
流量レンジ | 0.2MPa | 0.5MPa | 0.7MPa |
110L | 60L | 95L | 115L |
230L | 110L | 180L | 230L |
360L | 200L | 320L | 360L |
470L | 250L | 390L | 475L |
では、そのタービンティースを回すことによって、どういった効果が得られるのか。ここを次のページで記していきます。
それは、効果及び効率から見てください。