火災におけるサイズアップ

サイズアップは、情報→判断→決断→指示→報告→活動の流れを指します。

火災現場だけでなく、あらゆる現場で活用できます。

ここでは、火災現場におけるサイズアップの方法を記していきますが、他種現場でも引用することができるので、その点を踏まえて活動に生かしてください。

火災現場におけるサイズアップの意義は、生命の安全、延焼危険、隊員の二次災害防止、財産保護などの様々な要因から、緊急的な事項優先順位を瞬時に判断し、活動できるようにしておくものです。

目で見て確認する事項

建物構造

建物構造に関しては、耐火構造か木造構造かで火の伝わり方、空気の流出入が大きく変わります。また、放水するのかCAFSを使うのかでも選択肢としても変わってきますね。

危険物

高圧ガスや危険物が存在していないか。目で確認もいいですが、確認方法は、付近住民、関係者への聴取でも問題ありません。禁水性の危険物がある場合などが分かる場合は先に知っておかなければなりません。

燃焼状況

火災の拡大状況(最盛期、中世期)や延焼危険の状況を東西南北方向で確認しなければなりません。

開口部の状況

開口部の数、開口部の開放状況、進入口の選定や延焼危険の優先順位選定が挙げられます。

煙の状況

煙の濃さ(透き通っているか)、上昇速度、色(白、黒、黄色など)を確認します。

煙が濃いと体積した煙がある(時間が経過している)上昇速度は温度が分かる(温度が高ければ速度が速く、低ければゆっくり)。色は白であれば、完全反応の完全燃焼(二酸化炭素と水素が発生し、空気の流入が十分にある)、黒であれば不完全反応の不完全燃焼(空気の流入が十分でなく、化学反応が不十分ですすが燃焼生成物として生成されている)

風向

風の向きを確認することにより、火災の状況も大きく変わります。延焼危険や開口部の吸気排気状況も変化するかもしれません。風向は常に観察する必要があります。

関係者聴取事項

聴取

要救助者

当たり前ですが、取り残された人はいないか、けが人はいないか、また聴取している関係者にもケガがないかを確認する必要があります。

出火場所

出火場所を聴取することで、活動上、主火制圧へ行く方向への優先順位が確定します。

燃えているもの

燃えているものが何か分かることは、活動の必要情報になります。禁水性の物質も存在するため、何が燃えているか分かる場合、もしくは燃えているか分からなくても、収容物が何がを聴取しておく必要があります。

情報からの判断

情報

次に活動をどのようにするかを判断しなければなりません。

判断は常に情報から行いますが、それは、優先順位の選択からが必須です。

  1. 要救助者の救出
  2. 延焼危険の解消
  3. 隊員の安全確保
  4. 財産の保護

が一般的かもしれません。

しかし

火災最盛期の状態で、屋内に要救助者が居るとの情報があったとしても、火の中に飛び込むことが最善の活動かどうかと問われるとそうとはいえません。

これら4つの項目は常に重要な部分であり、優先順位の変異は随時行っていく必要があります。

その変異する条件は、緊急度の度合いと、他隊との連携です。

真っ先に行う必要があるか、この活動の後に行うべきかどうかがと同時に他隊に任すことができるか、優先順位の判断基準といえます。

情報から判断することは、先着隊もしくは指揮隊が行います。

判断からの指示

指示

指示は簡潔明瞭にというのは、当たり前の話しです。指示する側と受け側が共通的に認識を持てるような指示をしる必要があります。

例えば、Aを東面、1を延焼防止活動と共通言語を決めておけば、「Aから1」という指示で、認識の違いなく指示することもできます。

指示の中には、他隊に連絡する必要のある事項もあります。

それは、自隊の活動による絶対にやらないでほしいことです。

自隊が屋内進入をする際は、他隊からの屋内へ放水は厳禁です。

また、開口部の開放も厳禁です。

これらは、自隊の活動もしくは、他隊の活動においてもしてはいけないことです。指示は他隊のしてはいけないことも行う必要があります。

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