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火災成長の段階として、着火の次に表面上の火炎の伝わりである火炎伝播(かえんでんぱ)というものがあります。
このページでは、火炎の火の先端について詳しく説明していきます。火炎伝播の伝わり方は重力、向き、風に大きく影響し、これらを理解することで熱の伝わり方と観察方法が理解できるでしょう。
一つずつ見ていきましょう。
着火が継続すれば、離れたところで着火が起こる場合もこの火炎伝播と定義できます。
要は、燃焼しているところの炎の先端付近が他のところへ燃焼範囲を拡がる過程をいいます。
一般的には燃え拡がりと言われることもあります。
この燃え拡がりは大きく、重力と風の影響が重要であり、火が上昇する原因の浮力が大きく関係してきます。
例えば、木材が燃焼しているときは、木の表面が燃焼を続け熱分解し、煙と炭、炎に変化します。この燃焼や熱分解の速度が火災の危険度を示す重要な指数となり、燃焼速度と関係します。
火炎の伝わり方
火炎の伝わり方は、具体的に、燃焼を拡大を意味し、燃料を気化(液体が気体になる現象)させ、可燃性気体の範囲を拡大していることであります。
これは、可燃物、形態的条件、風の有無、燃え拡がりの方向などの様々な要因が絡みます。
個体内部・側方への火炎伝播
固体内部への火炎の伝わり方は、空気の気流と燃料に依存します。無風状態であれば燃料のみで伝わり方が変わり、120℃以上から初めて火炎伝播が始まります。
火災では、火炎が側方や個体内部に熱を伝えるが、その他に熱分解している煙が付近の壁、天井までの熱を390℃以上まで上昇させます。
つまり、火炎の熱の伝わり方は、物体を熱する火炎と付近の壁を熱する煙とで温度の上昇変化が変わってくるということです。
上方や追い風による火炎伝播
気流の火炎の伝わり方は追い風によるものが多い。
火は熱を持つと体積が膨張し、重力によって上昇します。上昇すると、周囲の空気を巻き込み気流を生み出し、これが追い風として扱われます。
上方または追い風による火炎伝播は、着火した火炎の性質と壁面の燃焼特性に依存します。
もちろん室内であれば、煙層によって壁面温度が増加し、下方または側方への表面速度も増加します。
室内においても上方や追い風による熱の温度変化は煙層によって変化することがここでも表されるといえます。
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