通常放水、混合液、CAFSの使い分け

CAFS

通常放水と混合液、CAFSの使い分けをどの様におこなっているでしょうか。

このページはこれらの有効性と使い分けの判断基準を記していきます。

放水の違い(消火結果編)

放水違い

この3つの放水の違いには消火結果が違います。

水は当たり前ですが冷却消火で消し、混合液も冷却消火、CAFSは主に窒息消火で消火されます。

CAFSの詳しい情報はこちらのページをご覧ください。

水は当たり前で、CAFSの理解もして頂けたかと思いますので、混合液について少しだけ触れていきます。

混合液は、水の消火薬剤を含んだものです。

消火薬剤を含むことによって、どのような効果が得られるかというと、水が予め持っている表面張力の効果を無くすことができます。

水だけの放水だと、火災時において約70%~80%の水が損失しているといわれ(燃焼物に当たらず流れ落ちる)、この原因が表面張力だと言われています。

なので、混合液を含むことによって、表面張力を無くすことができるというのは、燃焼物に損失無く当てることができるので、メリットのあるものということです。

ここに圧縮空気を合わせることによって、泡を生成し、体積量を膨張させ、CAFSを生み出します。

そういうことであれば、水は必要ないんじゃないか。という疑問が出てきます。

判断の違い(使い分け)

放水

ここまで見ると水というのは、あまり使わなくてもいいのかな。と感じます。

判断の材料として見ていくと、そうでもありません。

まずは、混合液とCAFSの使い分けを見ていきます。

混合液とCAFSの違うところは、冷却消火と窒息消火というところです。これは、根本的に違うことなので、使い分けとしては、屋内進入時に室内を冷却できるかどうかが主なものとなっています。

あとは、体積量を増やせるかどうかです。消火活動として、体積量を増やして消火したい(主に少ない水で消火)などの目的があるのであれば、CAFSを使います。

続いて同じところです。混合液とCAFSの同じところは、水の表面張力を無くすことができ、燃焼物に対し付着し、消火を行うところです。

つまり、この混合液とCAFSはしっかりと燃焼物に当てることができて初めて効果を発揮できます。

燃焼物に当てることが出来なければ、これら二つを使う際は、判断材料の一部にはならないということですね。(薬液が勿体ない)

そもそも、燃焼物に当てない火災戦術なんてあるのか。というところが疑問です。

一つだけ該当します。空間冷却です。

空間冷却はこのページをご覧ください

空間冷却は可燃性ガスなどの気体に細かい水分を当てることによって、空間を冷却し、屋内進入を行います。

空間冷却の際は燃焼物に当てないということです。この場合、混合液を使っても、使わなくてもどちらでも良いです。

例えば、屋内進入時、空間冷却を行い、中で主火を確認すれば、直接放水で消火という形であれば、直接放水時には混合液が有効だと考えられます。

空間冷却は混合液でも可能ですが、薬液が勿体ないのであれば、水でも行っても問題ありません。

まとめ

まとめ

水は冷却効果と空間冷却を行う際に使用する。

混合液は、表面張力を無くす効果と冷却消火を行いたいときに使用する。(燃焼物に直接放水できる場面)

CAFSは体積量を増やし、表面張力を無くし、窒息消火で消火する場合に使用する(燃焼物に直接放水できる場面)

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