三連はしごの基本的な角度と力の加わり具合を記していきます。型式やメーカーによっても違いますが、全伸悌長さは約870cm、縮悌長さは約355cm、重さは約31kgとなります。
一か所許容最大荷重は約1300N(約130kg)、分散許容最大荷重は1800N(約180kg)
角度
最適架梯角度は75°といわれています。この75°は理論値として最適といわれているわけではなく、実績値として、算出したものです。実験結果により、ボンベを背負った90kgの隊員がはしごに乗った際に安定した角度を表しています。
毎回75°を図るわけにもいきませんので、算出方法としてこのような架梯した場合を見ていきましょう
ここの部分を明確にする必要があります
公式は
となります。
bが3m、角度θが75°の場合、この公式に当てはめると、cは3.105m、aは0.803mとなります。
覚えておく必要があるのは、目安としてaはbの約3分の1以下だということですね。
架梯位置を確かめる際の基準としてください。これは基本の部分です。
強度計算
三連はしごの強度計算は非常に複雑な力が働き、正直理論値として算出するのは、難しいです。しかし、どこにどのような力が働いているかを知ることによって、今後の活動に役立つと思いますので、概要を理解していきましょう。
これだけの力が働いています。
壁掛けの場合(壁部分摩擦有り)
ベランダ掛けの場合(壁部分摩擦無し)
このときの基底部の垂直抗力は梯子の荷重及び隊員の荷重の垂直抗力となります。
壁摩擦有りの場合から見ていきましょう。
基底部と壁部分の合力が合わさった作用点Fを垂直に下した、ピンク色の線がこの梯子の生命線といえるもので、この線より右側に隊員の荷重が掛かれば基底部が滑ってしまうという図です。
この図では、基底部と壁部分の摩擦方向と垂直抗力が交わっているので、これらが合わさった力を示しています。
基底部の摩擦力を上げれば点Fは右側に変動するので、滑ることがなくなるということですね
例えば基底部の摩擦力と隊員の確保の力を上げると点Fの位置は大きく変わります。これで滑る可能性が格段に減ります。
壁摩擦無しの場合を見ていきましょう
同じ三連はしごでも、壁に摩擦がなければ垂直抗力のみで点Fから垂直に下に下ろす力は隊員の荷重の右側に移動します。この時点では滑ることがないということです。
壁の摩擦がない場合とある場合では点Fの位置が大きく変わることが見られました。
また、基底部の摩擦力と隊員の確保力を強めれば点Fの位置が大きく変わることが図でも分かりました。
当たり前ですが、梯子を架梯するときの壁の摩擦力をなくすことと、隊員の確保力を上げることが、梯子の安全を維持できるということが分かったと思います。
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